建設業許可を受けるための7つの要件
建設業許可には、下請契約の規模などにより区分される「一般建設業」と「特定建設業」や、営業所の所在地により区分される「知事許可」と「国土交通大臣許可」があります。
一般建設業許可と比べて、特定建設業許可では、営業所技術者等や財産的基礎について、より厳しい要件が定められています。
本記事では、「一般建設業の知事許可」を前提に、建設業許可を取得するための主な要件について解説します。
建設業許可が必要となる工事・不要な工事
建設工事を営む場合、原則として建設業許可が必要ですが、次の「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、建設業許可は必要ありません。
- 建築一式工事:1件の請負代金が1,500万円未満(税込)の工事、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
- 建築一式工事以外:1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事
※請負代金の額は、工事を2以上の契約に分割して請け負う場合、各契約の請負代金の額を合計して判断します。
※注文者が材料を提供する場合は、その材料の価格を請負代金の額に加えて判断します。
建設業許可が不要でも登録が必要な場合
軽微な建設工事に該当し、建設業許可が不要な場合でも、別の法律に基づく「登録等」が必要になる場合があります。
1.解体工事業
解体工事業を営む場合は、原則として建設リサイクル法に基づく解体工事業の登録が必要です。
ただし、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を受けている場合は、解体工事業の登録は必要ありません。
2.浄化槽工事業
浄化槽工事業を営む場合は、浄化槽法に基づく浄化槽工事業の登録等が必要です。
3.電気工事業
電気工事業を営む場合は、電気工事業法に基づき、工事の内容や建設業許可の有無に応じて、登録または届出が必要となります。
このように、建設業許可が不要な軽微な工事であっても、別の法律による登録・届出等が必要となる場合があります。
建設業許可の7つの要件
建設業許可を取得するためには、原則として次の許可要件を満たす必要があります。
1.経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者
2.営業所ごとに営業所技術者等がいること
3.欠格要件に該当しないこと
4.誠実性があること
5.社会保険に適正に加入していること
6.財産的基礎または金銭的信用を有すること
7.適切な営業所があること
1.経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者
建設業の経営を適正に行うため、一定の経営経験を有する者を配置するなど、適切な経営管理体制を整える必要があります。
①個人で要件を満たす場合
法人の場合は、常勤の役員等、個人事業主の場合は本人または支配人が、次のいずれかに該当する必要があります。
- 建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験がある
- 建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位で、経営業務を管理した経験がある
- 建設業に関し6年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位で、経営業務の管理責任者を補佐した経験がある
②常勤役員等+直接補佐する者で体制を整える場合
常勤役員等本人が上記の経験要件を満たさない場合でも、常勤役員等と、それを直接補佐する者による体制によって要件を満たせる場合があります。
常勤役員等は、次のいずれかに該当する必要があります。
- 建設業に関し2年以上、役員等としての経験があり、かつ、5年以上、役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位で、財務管理・労務管理・業務運営のいずれかを担当した経験がある
- 5年以上、役員等としての経験があり、そのうち建設業で2年以上、役員等としての経験がある
さらに、常勤役員等を直接補佐する者として、
- 財務管理
- 労務管理
- 業務運営
について、それぞれ5年以上の建設業での経験を有する者を配置する必要があります。
なお、財務管理・労務管理・業務運営について、1人が複数の業務を兼ねることも可能です。
ポイント
つまり、「経験豊富な常勤役員等を配置する」または「一定の経験を持つ常勤役員等+財務・労務・業務運営を直接補佐する体制を整える」ことで、経営業務を適正に行うための体制を確保します。
2.営業所技術者等
許可を受けようとする建設業について、営業所ごとに営業所技術者等を配置する必要があります。
- 指定学科を卒業し、一定期間の実務経験を有すること
- 許可を受けようとする建設業について、10年以上の実務経験を有すること
- 所定の国家資格等を有すること
3.欠格要件
申請者や役員等が、建設業法第8条に定められた欠格事由に該当しないことが必要です。
例えば、以下のような場合です。
- 建設業許可の取消処分を受け、その日から5年を経過していない
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終え、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない
- 建設業法などに違反して一定の刑に処せられ、5年を経過していない
欠格要件はこれらに限られないため、申請前に確認することが重要です。
4.誠実性
請負契約に関して、不正または不誠実な行為を行うおそれがないことが必要です。
例えば、次のような行為が該当します。
- 請負契約について詐欺を行う
- 請負契約について脅迫を行う
- 工事内容や契約に関して不誠実な行為を行う
5.社会保険への加入
健康保険、厚生年金保険、雇用保険など、加入義務のある場合に適切に加入していることが必要です。
法人・個人、従業員数などによって加入義務が異なるため、自社の状況に応じて確認する必要があります。
6.財産的基礎または金銭的信用
一般建設業許可では、次のいずれかを満たす必要があります。
- 直近の決算において、自己資本の額が500万円以上あること
- 500万円以上の資金を調達する能力があること
金融機関の預金残高証明書などによって、資金調達能力を確認する場合があります。
7.適切な営業所があること
- 建設業に関する営業活動を継続的・独立的に行えること
- 請負契約の締結や事務処理を適切に行える設備を備えていること
- 電話、机、パソコンなど、営業に必要な設備を備えていること
建設業の営業を継続的に行うための実態を備えた営業所であることが求められます。
まとめ
今回は、一般建設業の知事許可を前提として、主な許可要件についてご紹介しました。
建設業許可の要件は制度改正によって変更されることがあるほか、申請先の行政庁によって求められる確認書類や運用が異なる場合があります。
建設業許可は、要件を満たしていることに加え、その要件を書類によって適切に証明する必要があります。特に、経営業務の管理経験や営業所技術者等の実務経験は、証明資料の準備に時間を要することも少なくありません。
建設業許可の取得をご検討中の方や、要件の確認・必要書類の準備に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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