経営事項審査(経審)とは?公共工事を受注するために必要な手続きを解説
国や地方公共団体などが発注する公共工事のうち、工事1件の請負金額が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を発注者から直接請け負うためには、経営事項審査(経審)を受ける必要があります。
経審は、公共工事を適正に施工できる建設業者を客観的に評価するための制度であり、公共工事の発注機関はこの審査結果をもとに、建設業者の入札参加資格審査を行います。
ただし、民間工事のみを請け負う場合や、公共工事であっても下請として施工する場合は、原則として経審を受ける必要はありません。
この記事では、経審の概要や対象となる事業者、審査内容、手続きの流れについて解説します。
1.経営事項審査(経審)とは
経営事項審査(経審)とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者に必要となる審査制度です。
建設業者の経営規模、経営状況、技術的能力、その他の社会性等を客観的に評価し、その結果を総合評価値(P点)として数値化します。
この総合評価値(P点)が、国や地方公共団体などが実施する公共工事の入札参加資格審査において利用されます。
2.経審で審査される主な内容
経審では、次の5つの項目が評価されます。
| 評価項目 | 内容 |
| X1 | 経営規模(完成工事高) |
| X2 | 経営規模(自己資本額・職員数等) |
| Y | 経営状況(登録経営状況分析機関が分析) |
| Z | 技術力 |
| W | 社会性等(その他の審査項目) |
総合評価値(P点)は、次の計算式で算出されます。
総合評価値(P点) = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W
なお、総合評価値(P点)は、最高点2,159点、最低点163点となっています。
3.経営事項審査の手続きの流れ
経営事項審査を受けるためには、まず事業年度終了届を管轄の土木事務所へ提出します。
続いて登録経営状況分析機関へ経営状況分析を申請し、その後、管轄の土木事務所へ経営規模等評価申請および総合評価値(P点)の請求を行います。
①事業年度終了届を管轄の土木事務所へ提出
↓
②登録経営状況分析機関へ経営状況分析を申請
↓
③登録経営状況分析機関から経営状況分析結果(Y点)の通知を受ける
↓
④管轄土木事務所へ経営規模等評価申請および総合評価値(P点)の請求を行う
↓
⑤許可行政庁から経営規模等評価結果および総合評価値(P点)の通知を受ける
通知された総合評価値(P点)をもとに、入札に参加したい国、都道府県、市区町村などの発注機関ごとに、入札参加資格申請*を行います。
*入札参加資格申請とは、公共工事の入札に参加するため、各発注機関へ事前に申請を行う手続きです。経審の結果をもとに審査が行われ、資格者名簿に登録されることで、その発注機関が実施する公共工事の入札に参加できるようになります。
4.経営状況分析とは
経審を受ける前には、登録経営状況分析機関による「経営状況分析」を受ける必要があります。
登録経営状況分析機関が会社の財務状況などを分析し、その結果が経営状況(Y点)として数値化されます。
このY点は、総合評価値(P点)の算出に用いられる重要な評価項目の一つです。
5.経審の有効期間
経営事項審査の結果(総合評価値通知書)の有効期間は、
審査基準日(決算日)から1年7か月です。
例えば、決算日が令和8年3月31日の場合は、令和9年10月31日まで有効となります。
有効期間を過ぎると、その経営事項審査の結果を入札参加資格審査に利用できなくなるため、継続して公共工事を受注する場合は、有効期間が切れる前に次回の経審を受ける必要があります。
6.経審は毎年受ける必要がある?
公共工事への入札を継続して希望する場合は、毎事業年度の決算を基準日として、経審を受ける必要があります。
また、経審を受ける前には、事業年度終了届を提出していることが前提となります。
決算手続きが遅れると、その後の経審や入札参加資格申請にも影響するため、計画的な準備が大切です。
まとめ
経審は、公共工事の入札に参加する建設業者にとって重要な手続きです。
申請にあたっては、経営状況分析や必要書類の準備など、事前の手続きも必要となります。
当事務所では、経営状況分析を含め、経営事項審査の手続きをサポートしております。
経審の受審を検討されている建設業者の方は、お気軽にご相談ください。
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