『社長のための士業のトリセツ』を読んで
今回は、実務の内容ではなく、読んだ本についての記事です。
人は感情で動くとよく聞きますが、感情では動かすことのできない現実が行政手続きにはあります。
行政手続きでは、気持ちだけではどうにもならないこともあります。
それでも、自分の気持ちまで「言わなくても伝わる」と考えるのではなく、きちんと言葉にしていきたいと思っています。
今回は、弁護士の島田直行先生の『社長のための士業のトリセツ』を読みました。
士業と経営者との関係について書かれた本ですが、読んでいて印象に残ったのは、士業のあり方だけではありませんでした。
経営者が抱えている悩みや、事業を続けていく難しさについても触れられていて、考えることの多い本でした。
特に印象に残ったのが、
「自分のためではない誰かのために」
という言葉です。
経営理念は、経営者の人生観によって千差万別であるものの、そこには共通するものがある、という文脈で書かれていました。
事業を始めたときは、自分のやりたいことや実現したいことがあっても、事業を続けていくうちに、従業員や取引先、家族など、自分以外の人のことを考える場面が増えていくのだと思います。
一方で、経営者だからといって、いつも人のために前向きでいられるわけでもないと思います。
売上や資金繰り、従業員との関係、取引先との付き合いなど、経営をしていれば、簡単には人に話せない悩みもあるのではないでしょうか。
そうした悩みについて、
「悩みとは弱さではなく、強さであり、優しさである。」
という言葉も印象に残りました。
悩みがあるからこそ、自分の行動を振り返ったり、誰かの立場を考えたりすることができる。
行政書士の仕事では、法律や制度についての専門的な知識が必要です。
ただ、知識があるだけでは、経営者の方が抱えている問題を解決できるとは限りません。
専門的な知識を持っているだけではなく、それを実際の経営にどう結び付けていくか。
自分の仕事についても、考えるきっかけになりました。
例えば、許認可の手続き一つをとっても、経営者の方にとっては、単なる書類上の手続きではありません。
その先には、事業を続けること、新しい事業を始めること、従業員の生活を守ることなど、それぞれの事情があります。
制度や書類だけを見るのではなく、その先にある事情にも目を向けられる行政書士になりたいと思いました。
また、本の最後に書かれている、士業と経営者は互いに影響を与えながら成長していくという考え方も印象に残りました。
まだまだ学ぶことのほうが多いですが、日々研鑽を積みながら、自分自身も少しずつ成長していきたいと思います。
正確な仕事をすることはもちろん、経営者の方が抱えている事情や悩みにも目を向ける。
そんな行政書士になりたいと、改めて思った一冊でした。
参考書籍
『社長のための士業のトリセツ』
著者:島田直行
出版社:日本法令
発行:2022年11月
ISBN:978-4-539-72923-6
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